展示会の準備から本番、フォローアップまでをケーススタディとして考察しています。
前編は準備からイベント本番までを、リードジェネレーション(集客)の考え方をベースに書きました。
中編はイベント終了後の名刺情報やアンケートのとりまとめをリードデータマネジメント(管理)の目線とともに書きました。
後編ではフォローアップの方法に関して記述していきたいと思います。
Contents
イベント終了後~3ヶ月
フォローアップの一般的な流れは、電話かメールでアポイントをとって後日商談。案件化。契約。という順序です。
フォローする順番は興味のある来場客順ですが、アポイントを取得する活動で痛感するのが「名刺に書いてあるイベント当日の対応メモ」このクオリティです。
来場客の目的を突き詰めると、課題解決ですので、来場客の課題は聞けているか。課題に対する改善策をイベント当日どこまで伝えられているか。誰が担当したかetc。
フォローアップの際に必要な情報(課題に関する情報)が取得できているか?また当日の対応メモにきちんと書かれているかどうかで、アポイントの獲得量も大きく変わってきます。
展示会はお祭りのようなもので、イベント当日はとてもテンション高く話しを聞いてくれた来場客も、後日電話で連絡をすると、全く感じが違った。テンションがとても低かった。というのは良くある話しです。
ですので、さらに有意義な情報提供ができる旨、改めて時間を頂戴するにあたっての明確な理由がなければ後日に商談のチャンスすらもらえません。
課題解決の意識をイベント運営時から持っていないと本来案件化する可能性があった来場客にも、商談の機会がもらえずに機会損失を出してしまう可能性があります。
イベント時に必要な情報が取得できているか?しっかりフォローアップまで考えられた運営がされているか?この辺りの見直しが毎回必要です。
イベント運営の質=フォローアップの質
長期的なプロモーションやブランディング活動と割り切っていれば話しは別ですが、展示会で短期的な費用対効果を求めるのであれば、フォローアップする事を前提に展示会の準備をして、運営をする。
この考え方がなければ展示会のマーケティング活用はうまくいきません。
少人数で行う効果的なフォローアップテクニック
フォローアップのゴール=アポイントになりますので、より受注や案件化に近いアポイントを供給できるよう展示会の担当者は工夫をします。
展示会によっては人的リソースが少なく、フォローアップ自体も担当者自身で行わなければならないケースもあります。
そのような場合には、人海戦術をつかってローラーですべての来場者へのフォローアップとはいきません。
ただ取りこぼしもできない…効率と効果のジレンマを感じている展示会担当者も多いのではないでしょうか。
その際に活用できるテクニックがメールマーケティング+Web解析+テレマーケティングの併用です。
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1、展示会終了後に、来場者全員への御礼を一括メールで送信
2、メールの開封チェック、Webへのアクセス確認
3、「2」で反応があった来場者へテレマーケティングを実施
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一度ふるいにかけてから、個別のフォローを実施するようなイメージです。
アウトバウンドですべてを行うには無駄が多く、インバウンドだけでは弱い。今は展示会のフォローアップでもプッシュ(押し)とプル(引き)をMIXした手法が主流です。
ちなみに、こういった手法を総称してマーケティングオートメーションと呼んでいたりします。
イベント終了後3ヶ月以降
3ヶ月経過すると、足の早いものであれば「受注」の結果が出ています。
そこまでいかなくとも案件化するものと、案件化しないものの区別は明確に出てきていると思います。
ここからのフェーズでありがちな問題が「案件化しない」リードデータの放置です。
イベント終了後3ヶ月以降でマネジメント層やマーケティング担当でケアしなければならないのは、フォロー漏れや、見込みが高いのにフォローが手薄なリードデータのピックアップです。
フォロー漏れがないかをチェックする
見込みの高いリードデータのフォロー漏れチェックは、過去の接点などとも照らし合わせてデータを見ていく必要があります。
イベントでの感覚的反応に加えて、データからリードデータの優劣を判断するマーケティングの観点をプラスする事でフォローアップに穴がなくなります。
マーケティングと営業は最終目的は同じでも、プロセスが異なり、視点も異なるべきものでなければなりません。
実際にフォローを行う現場とは少し違う観点も持っていなければマーケティングの機能は果たせません。
長期的なフォローを実施する
営業が担当しない長期的なフォローに該当するリードデータとはどのようなものか?
これは、検討段階が「今ではない」リードデータ群と考える事ができます。
全く顧客ターゲットに含まれない。競合他社。このあたりを除外すれば、その他は「今は」必要のない見込み顧客です。
この層に対してのナーチャリング(育成)が必要になり、それが長期的なフォローという事ができます。
その際に必要なものがリードナーチャリングと言えます。
リードクオリフィケーションという考え方
長期的なフォローといっても、ただ「ひとまとめ」に定期的にフォローしていれば良いというわけではありません。
様々な工夫が必要なので、マーケティングオートメーションやリードナーチャリングが存在しています。
そこでリードクオリフィケーション=属性からリードデータをリストとして抽出(セグメンテーション)する技術が使われています。
わかりやすい属性例としては、過去接点、業種、規模、役職、選択式のアンケート結果、対応していない期間などでしょうか。
それらの属性を掛け合わせて、戦略と戦術に合わせたリストを即座に抽出できる環境をリードデータマネジメントで構築しなくてはなりません。
リードナーチャリングの基礎ですので、リードクオリフィケーションを理解しておくと展示会の長期的なフォロー施策にも奥行きが出てきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ひとつの展示会を単体で見るのではなく、その他のマーケティングチャネルと合わせてリードナーチャリングを考える事で、作戦も、出来る事も、効果も掛け算式に伸びていきます。
展示会というと集客に目がいきがちですが、最終的な受注や案件化という結果や、フォローアップから逆算して考えていくとマーケティングに厚みが出てきます。
皆さまの展示会運営の少しでも参考になれば幸いです。
投稿者
- サスケ(saaske)マーケティングブログは、新規営業支援ツール「クラウドサービス サスケ」のオウンドメディアです。筆者はサスケのマーケティング担当です。SFA、CRM、MA、テレアポ、展示会フォローなど、営業支援のSaaSツールにまつわる基礎知識や実践方法などをお伝えしていきます。
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