契約までの期間が長期間化。顧客の受注サイクルについていく「B2Bリードナーチャリング」
現代B2Bマーケティングの常識。集客(リードジェネレーション)と育成(リードナーチャリング)の両輪で回す
一般的にマーケティングと聞いてイメージするのは「集客(リードジェネレーション)」です。イベントやプロモーション活動で、自社の製品やサービスに興味のあるリード顧客(見込み顧客や潜在顧客)を集める集客活動をマーケティングと指しているケースが多いですよね。ただ昨今、特にB2Bのマーケティング界隈で注目されているのが「集客」よりも「育成」です。
というよりく「集客」に「育成」をプラスして両輪で回すマーケティングの考え方が主流となってきていると言えます。
いくつか理由はありますが大きなものとしては下記の3点が考えられます。
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1、マーケティングコストの垂れ流し防止
2、契約を決めるまでの検討期間の長期化への対応
3、B2Bのマーケティングの目的「ホットリード」の安定供給
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展示会出展、広告出稿、各種プロモーション「集客」にはコストがかかります。1リード顧客データの獲得単価は500円~20,000円まで。マーケティング予算の垂れ流しが顕著に。
例えば、御社の購入してもらいたいタイミングで「集客」に予算を投下しても、「顧客の契約を決めるまでの検討期間の長期化」などが顕著になってきており、御社の購入してもらいたいタイミングでは顧客は購入をしてくれなくなってきています。
しっかりとフォローする体制がなければ、いざ顧客が購入したいタイミングが来た時には競合他社へ流れてしまう。集客だけでは、マーケティングにおける良いポジションがとれなくなってきているのです。
そこで、「顧客が購入したいタイミング」までしっかりとフォローができる体制の構築。つまりリードナーチャリングへの取り組みが活発になってきています。
集客した見込み客に対し、継続的なフォローを実施し、自社の製品やサービスへの興味や購入意欲を高めていくプロセスです。御社の都合ではなく、顧客の購買サイクルに合わせる意識がとても大切になってきます。
「顧客と御社の購買サイクル」のズレを修正する事で、マーケティングコストの無駄と垂れ流しを防止する事にもつながります。
せっかく多大な予算をかけて「集客」して、獲得したリードデータ(見込み顧客や潜在顧客の情報)にはコストに見合った適切な管理と活用が必要という意識が各企業のマーケティング部共通の意識となってきています。
集客とバランスのとれた「育成」と管理体制の構築ができれば、顧客の購買サイクルに合わせたリードナーチャリングの設計が可能に
B2CとB2Bのマーケティングでは全く異なる考え方が必要になります。
例えば、B2CビジネスのECサイトの場合だと、マーケティングのゴールは「購入」です。
ただB2Bビジネスの場合はもう少し複雑です。製品単価が高額、専門性が高く対人説明が必ず必要で、受注までをマーケティングだけで担う事は難しく営業介入が必要になってきます。ですのでB2Bビジネスの「購入」のゴールは営業が担当します。B2Bマーケティングの役割は、「購入に興味のある見込み顧客」、いわゆるホットリード(優良見込み顧客)を数多く獲得としていくという事になります。
顧客が契約を決めるまでの検討期間の長期化しているという現象が最近は顕著に現れていますので、顧客の購入サイクル長期化への対応と、ホットリード(優良見込み顧客情報)の営業への安定供給の両立がB2Bマーケティングのミッションとなります。
リードナーチャリングはマーケティングと営業の連動の役割を担う今やB2Bマーケティングでは必要不可欠なフェーズとなっており、各社効果的なリードナーチャリング施策の実施が経営レベルからも求められています。
リードジェネレーション(集客)とリードナーチャリング(育成)の両輪をつなぐ「リードデータマネジメント」
またマーケティングにおける集客と育成は両輪ですので、どちらも同時に稼働させて回し続けていく必要があります。
そこで両輪を繋ぐ「シャフト」の役割をするのがリードデータ管理やリードデータマネジメントと呼ばれる「見込み顧客や潜在顧客のデータ=マーケティング/セールスリード」と呼ばれる情報の管理になります。
集客したリードデータを活かすも殺すも、情報の管理と活用のスキルに委ねられていますので、B2Bマーケティングの工程として、リードナーチャリングが根付きはじめてきているのと同時に、マーケッターにはリードデータマネジメントスキルも求められます。
MA(マーケティング・オートメーション)やインサイドセールスの施策を効果的に実施できるか否かも、リードデータ管理の「質」に起因するという事もいえますので、地味な分野ではありますが、一種独特な性格をもつビッグデータ「リードデータ」の取り扱いに関する知識と技術は、今後ますます大切になってきます。