PICK UP
・最小の0.5小間出展/その後2年間の効果を検証
・10ヶ月で投資費用を回収
・2年3ヶ月で471%の費用対効果を計上
展示会概要
今回が初開催の展示会で2014年7月9日(水)~11日(木)の3日間にて東京ビッグサイトで開催されました。いくつかの展示会との同時開催で集客力があり、「営業支援EXPO」という事だけあって様々な営業上の課題をもった方々が、会場に来場され、賑わいを見せていました。
私達としては、その中からリード管理に課題をお持ちの企業様を探す事に終始した展示会となりました。
投入
・出展/ 装飾/運搬等の投資費用:¥893,500
・展示会人員リソース:準備人員1名、展示会人員5名(3日間拘束)
効果
・リード獲得数:370
(Aランク…11 、Bランク…25、Cランク…116、Dランク…126、記載なし…92)
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出展後10ヶ月経過
・成約数:2件
・回収費用:¥933,120
・投資効果:104%
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出展後2年3ヶ月経過
・成約数:6件
・回収費用:¥4,212,108
・投資効果:471%
・備考:2016年11/1現在、5/6が既契約のお客様
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考察1:出展目的の明確化が重要
展示会の名前の通り、営業支援システム(以下SFA)やCRM周りのツールの情報収集に来る来場者が多いのではないかと想定していました。ですので他社のSFAやCRMと何が違うのかという部分をしっかりと見せる必要性を第一に考え、同時にSFAやCRMと共存して活用する「外付けのリードデータ管理システム」である事をアピールしました。
●他社SFA
1、案件化した後の「重要な営業データ」の管理が主体の設計
2、幅広いニーズに対応する為、様々な機能を実装
3、使う側のスキルも求められる複雑な操作性
4、少数精鋭のデータを取り扱う
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●サスケシステムの特長
1、受注になるかわからない「初期営業のリードデータ」管理専用の設計
2、リードデータ管理に必要な機能のみを実装
3、誰でも使えるシンプルな操作性を実現
4、煩雑管理になりやすい初期営業時の大量のビッグデータを取り扱う
↓
サスケはリードデータの取り扱い専用システム。
今使っているSFA/CRMの「外付けシステム」として併用して活用する。
これは弊社製品のサスケを例にした出展目的ですが、どの製品でもサービスでも競合他社との差別化がうまく伝われば、来場者の記憶にも残りやすくなるのは言うまでもありません。
アポイントがとれやすくなったり、展示会終了後のフォローアップの際にも非常に役に立ちます。
まずは出展目的から考えていく事で差別化や見せ方のアイデアが生まれてきます。
出展目的と真剣に向き合えるかどうかが、展示会出展の成功と失敗の最初の分かれ道といえます。
考察2:成約/案件化/集客量/の確率論から考える
あとは、限られた展示会日程の中で、ペルソナ(ターゲットとしているリード顧客)に対してアピールポイントをいかに効率的に伝えていく事ができるかを考えていく事が重要です。
ターゲットとしているリード顧客(ペルソナ)が集客量の中で比重を占めていれば占めているほど結果が出る確率が高まります。
展示会出展で結果を出す為には「成約/案件化/集客量」のピラミッド構造と…
・成約は「集客量」から生まれる。母数を大事にする
・「集客量」の質を高めて、成約の確率を上げる。
この「量と質」の相反する2点のバランスが視点として必要です。
集客量は展示会の主催会社が提供してくれます。出展目的を明確にした。アピールポイントが定まった。
私たちに次に必要な事は「集客量の質」に目を向ける事です。「自社の製品やサービスを購入してくれない」ペルソナに当てはまらないリード顧客ばかり、どんなにたくさん集客しても成約には近づきません。
やみくもに集客量だけを見ていても展示会効果は得られづらいのです。展示会運営中は、聞き取り内容をいくつかルール化してフィルタリングをするだけでも「質の良い集客」につなげることができます。
今回の展示会では下記のような内容の聞き取りを必須にして、展示会会場でもできる簡易リードスコアリング(見込みランク)を実施しました。
展示会当日のリードスコアリング(弊社サスケ製品の場合)
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1、SFA導入済みの企業様の場合
□アウトバウンドを行っている
□リード管理が煩雑になっている
□リードデータがマーケティング・営業チャンネル毎に別々になっている
3つ該当で…見込みランクA
2つ該当で…見込みランクB
1つ該当で…見込みランクC
該当なしで…見込みランクD
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2、SFA導入がない企業様の場合
□リード管理に課題の比重が大きい
1つ該当で…見込みランクB
該当なしで…見込みランクD
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展示会会場でもできる簡易リードスコアリング(見込みランク)を実施する事で、展示会の限られた日程で時間を有効的に使えるようになります。
例えば…
・このお客様は「A」だからじっくり話しをしよう
・このお客様は「C」だから、当日のご案内は早めに切り上げよう
のような事ですね。
せっかくブースに足を運んで頂いているので失礼にならない対応は必要ですが、多くの企業は成約に結びつける目的で展示会に出展してます。
優良なリード顧客には時間を使う。成約の見込みのないリード顧客には時間を使わない。目的に沿った当たり前の活動をする。こういった効率性の視点も展示会運営では大事です。
よくある「名刺交換の枚数のみ」を目的に展示会運営を行うよりも効率的ですので、簡易リードスコアリングは必ず行ったほうが良いと思います。
なによりも想定と戦略を持つ事は、イベントにのぞむ上で最低限の実施事項かと思いますので、名刺獲得枚数のような量だけを目的にしたイベント運営はマーケティングやリードナーチャリングの活動とは呼べないのではないでしょうか。
目的をしっかりと細分化してイベントにのぞむことは、自社の製品やサービスを見つめ直す良いきっかけにもなりますし、マーケティング部と営業部の意識を再確認する事にも繋がります。
自社内の方向性をひとつにするきっかけに活用していけるのも展示会です。
考察3:展示会後のフォローアップを実施する
当日の運営がうまくいってもいかなくても、展示会でのリード獲得結果は変わりません。
今度は獲得したリード顧客に対して、効果的にフォローアップをしていく方法に目を向けます。
展示会当日の簡易リードスコアリングや展示会当日の情報収集はこの段階でも活きてきます。
簡易リードスコアリングをペルソナから導いてしっかり行っておけば、長期的に見ても風化しずらいものです。話をした感じで「反応が良かった」「反応が悪かった」など個々人の感覚でつけているわけではなく、明確に購入してくれるターゲットに近いか遠いかの情報から見込みランクを付けているからです。
展示会で効果の出せていない企業のほとんどが、展示会後のフォローアップの徹底ができていません。展示会終わった直後もそうなのですが、月単位、年単位の長期スパンでもしっかりと定期的にフォローアップを行っていく事が大事になってきます。
来場お礼メールを行って、アポイントを頂いて、商談をする。フォローアップを定期的に続ける。フォローアップといっても施策手法はそんなに特殊な事はなく、ひとつひとつ見ればどの企業でも実施しているようなシンプルな施策です。ただその施策ひとつひとつをしっかりと連動させて戦略をもとに続けていく事が何よりも重要なのです。
結局ニーズが合わないお客様はどんなに提案を頑張っても成約には至らないので、ニーズがあるリード顧客としっかりと出会う。ニーズのあるリード顧客へしっかりと時間をかける。
そのためにやらなければいけない当たり前の判断、当たり前のマーケティング施策、当たり前の営業活動、当たり前の準備を行う「当たり前の連続性」が展示会のリードナーチャリングでは重要だと思うのです。