マーケティングで活用されるリードデータは効果が最大化するように構造を理解してデザインする事が大切です。
ただ「まだ顧客(お客様)になるかわからない」データですので効率性も考えて取り扱いする必要がでてきます。効果と効率を両立させたマーケティングで活用できる情報の形をご説明致します。
リードデータの設計は取得~管理~活用のサイクルで考える
リードナーチャリングで必ず必要になってくるのが「情報の活用」です。
情報をどのように取得して、どのように管理(マネジメント)して、どのように活用していくかを考えるのがリードナーチャリングであると言えます。
オンラインでもオフラインの施策でもそれは同様です。マーケティングで活用される情報は「リードデータ」と呼ばれます。情報のデザインとデータ構造はどのようにして考えるのが正しいのか。
1、リードジェネレーション(集客施策)
2、リードデータマネジメント(管理)
3、リードクオリフィケーション(抽出)
4、リードナーチャリング(育成施策)
1~4のマーケティング基本フローからその解に迫ります。
1のリードジェネレーションの集客の施策によって取得できるデータの幅と種類が異なります。
例えばホワイトペーパーを活用したWebの広告媒体からの取得であれば多くの場合、プロフィール情報にアンケート情報が付与されます。
展示会であれば名刺情報や、イベント当日に実際に話しをした現場の生の情報や、見込み確度などの情報が得られます。
今、自社で実施している1のリードデータの取得方法と、2~4の工程を考慮してデータ設計を考えていく必要があります。
リードデータの基本構造とは
まず構造の視点として大切なのがリードクオリフィケーション。つまり実施したいデータ抽出をイメージする事です。
「欲しい情報を、即座に欲しい形で抽出する」この視点から逆算してデータ構造を構築していく事が重要です。
その為にはデータの保持の方法が大事になってきます。このあたりは抽出したい内容に合わせて、カテゴリ毎に分けてデータを格納して管理する考え方が正解です。
リードデータ内のデータ保持の考え方
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<A、住所 例>
例えば、住所が「東京都渋谷区道玄坂2丁目16番8号 ビジネスヴィップ渋谷・道玄坂坂本ビル8階」であれば属性毎に分解した下記のようにデータ保持の方法が正解です。
→都道府県:東京都
→住所:渋谷区道玄坂2丁目16番8号
→建物名:ビジネスヴィップ渋谷・道玄坂坂本ビル8階
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<B、業種/規模/属性 例>
フリーテキストで業種を打ち込むのではなく、業種なら「建設業」「不動産業」「製造業」。規模なら「100名未満」「100名~300名」。属性なら「決算1月」「決算2月」のようにチェックボックスなどの選択式のデータ形式で格納。
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<AとBを掛け合わせたデータ抽出 例>
「東京都」かつ、「製造業」かつ、従業員数「100名~300名」かつ、「決算1月」の会社のみ100件を抽出。
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これはひとつのわかりやすい例ですが、このように属性毎にデータを区分して保持する考え方を基本にデータ構成しておけば、後々多彩なデータ抽出が可能になります。データマネジメントのクオリティがマーケティングプランの質に直結してきます。
リードナーチャリングの破綻原因1位は「データマネジメント」の崩壊
またデータ保持で考えなければならないのが、住所や業種、規模、属性といった基本情報のような変更の少ない「動かないデータ」だけではなく、接点や対応履歴などの日々変更のある「動くデータ」の取り扱いです。
リードデータマネジメントにおいて、この「動くデータ」の取り扱い難易度が高く、多くの企業でリードナーチャリングが頓挫する理由となっています。
どういう事かというと、例えばリードデータ運用開始時に1万件のリードデータを保持する事は簡単です。サーバの容量次第です。
ただ難しいのが10件、100件、1000件と日々流入してくるリードデータの扱いです。
これらのリードデータが1万件に含まれるデータなのか。含まれないデータなのか。どれだけの分量の情報を取り込むのか。取り込まない情報はどれにするのか。
などの判断は、目視や手動では1件1件判断できないのです。大量の情報量となるビッグデータである為です。
これによりデータマネジメントのクオリティが低下して、結果、施策の質が担保されずリードナーチャリングは理想論と片付けづけられてしまうのです。
逆に言えば、リードデータの取り扱いがしっかりとできればリードナーチャリングはうまくいきます。
リードデータはツール活用で「基本情報+大枠の接点+対応履歴」の情報をマージさせる
では「動くデータ」にどのように対応していくのか。
1万件の既存リードデータに対して、都度10件、100件、1000件と新規のリードデータをぶつけて、過去接点のあるデータかどうかを機械的に判別。
新規のリードデータは全てのデータを取り込み。既に過去接点のあるリードデータに関しては、事前に設定した取り込みルールに沿って、今回の接点情報や対応履歴の情報は過去の情報も活かしつつ、上積みで取り込むなどが一般的です。
これらの膨大な情報量を手動の目視で全て行うのは不可能ですので、テクノロジーを活用して、自動的にかつ機械的に実施してビッグデータであるリードデータをマネジメントしていきます。
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「名寄せ」と「データマージプログラム」という2つのテクノロジーに関する詳細は
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まとめ
マーケティングオートメーションの台頭はデータマネジメントの進化が可能にしたと言っても良いくらいです。
データドリブンな試みが成功するか否かは、「動くデータ」に対応できるかどうかで決まります。
リードデータの構造を把握し、デザイン力を上げていく事が施策の土台です。リードシナリオやマーケティング施策を考える前にリードデータの質に目を向ける事が非常に重要です。