PICK UP
・自社のブランド力を見極めたブース設計と運営戦略を
・リードデータの取得は量と質のバランスを考える
・費用対効果408%から以後12ヶ月で750%の見込み
展示会概要
TFMマーケティング・テクノロジーフェアは毎年参加している展示会です。全体的な集客量は少ないのですが、来場される方々はイノベーター層やアーリーアダプター層が多い最先端なマーケティング技術が集まるコアな展示会です。
2016年度で3回目の出展となり、今回は出展小間数を2小間へ拡張しました。
投入
・出展/ブース装飾/パンフレット制作/運搬費等の投資費用:¥1,498,608
・展示会人員:準備人員1名、展示会人員6名(2日間)
効果
・リード獲得: 1001件
・成約:6件
・回収費用:¥6,114,960
・投資効果:408%
考察1:予算の増加に伴った運営方法を
弊社のような零細企業では100万円単位の広告宣伝費用は大きいものです。そういった予算問題もあり、今までは最小小間数で、かつ装飾や運営費もミニマムに、コスト重視の最低限の運営方法で展示会に出展していました。
事業自体が軌道に乗ってきていた年度でもあったので、事前に広告費用の予算組みもする事ができ、少々投資費用を増やして今回は1小間増での出展となりました。
もともと貧乏性というか、今あるリソースは全て活用しきるというのが、そもそもの考え方の土台としてあります。
ですので、増設した分はしっかりとスペースを活用しきらなければという意識があり、新しい試みとして展示ブース内にはミニセミナーコーナーも設置して、当日はセミナー運営も同時に行いました。
またリードの獲得ツールとしてバーコードリーダーも活用しました。
考察2:マーケット内での立ち位置を明確に
いくつか反省点はあるのですが、その中でも大きかったのが「ブランディング力」を正確に把握できている展示会運営ではなかったという事です。
マーケット内での自社の立ち位置に認識が完全に見誤っていました。
一番顕著であったのは自社ブース内のセミナー集客でした。製品展示であれば自社ブース内へ呼び込みが行える事はわかっていたので、セミナーでも同様に集客は問題ないと思っていましたが、結果全く人が集まらないという状況が発生しました。
要因は、マーケットの牽引役(リーダー)と、追随役(プレイヤー)との訴求ポイントの違いを把握できていなかったという事です。
マーケティング施策を立案する際には、市場内において自社の立ち位置がリーダーなのか、プレイヤーなのかを認識した上で、訴求の内容と方法を検討しなければなりません。
弊社の状況であれば間違いなくマーケット内の立ち位置は追随役(プレイヤー)となりますので、そこを踏まえた訴求ポイントのセミナー内容を検討しなければいけませんでした。
今回はセミナーの講演テーマが大きな概念に寄りすぎており、訴求ポイントがずれていた事が集客量の低さにつながったものと分析しています。
セミナーで参加者が聞きたい内容
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●マーケットの牽引役(リーダー)が訴求すべき内容
「リードナーチャリングとは?MAとは?」のような大きな概念の提唱と事例
●マーケットの追随役(プレイヤー)が訴求すべき内容
「リードナーチャリングの中の◯◯とは?MAの中の◯◯とは?」のような特定課題に特化した小さな概念の提唱と最新事例
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今回のセミナー集客の失敗原因の1点目は牽引役(リーダー)が訴求すべき内容をテーマにしてしまった。という事です。
マーケット内での自社の立ち位置認識はマーケティングの土台で一番大事な事だと改めて再認識しました。
考察3:リードの量と質のバランスを
一方でこちらはうまくいった点です。今回のリードデータの取得は、バーコードリーダーと名刺交換の併用で行いました。
量と質のバランスがうまく均衡がとれ、1件あたりのリード獲得単価も1,500円を切っています。考察2のような反省はあるにせよ、結果としては効率と効果のバランスがとれたマーケティング施策となったと思います。
またその他のリードチャネルとクロスさせながら、現在折衝中の案件も多数あり、直接的にも間接的にも、まだ成約の数は増えていくと思います。
まとめ
これが一般的に展示会から成約に至るフローになります。
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●展示会単体のリードチャネルからの成約
【1展示会】→(2リードデータ取得)→(3商談)→(4成約)
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リードデータ取得において量と質のバランスが良いと、他のリードチャネルへの相乗効果も生まれます。その他のリードチャネルとクロスさせるような展示会の活用方法もあります。
野球で言うと、ホームランやヒットではないものの送りバントのような役割を果たす事ができるのも展示会を活用したマーケティングの良さかなと思います。
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●その他の【リードチャネル】とクロスさせて成約へ
【1テレマーケティング】→(2リード獲得)→(3商談)→(4保留)→【5展示会】→(6インサイドセールスで長期フォロー)→【7お問い合わせ】→(8商談)→(9成約)
<解説>
【1テレマーケティング】+【5展示会】+【7お問い合わせ】の3つのリードチャネル(接点)が積み重なって成約へ。
展示会が【1】と【7】の接点を繋げる役割となった。
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●展示会で接点を2回重ねて成約へ
【1展示会】→(2リード獲得)→(3商談)→(4保留)→【5:半年後の展示会】→(6再商談)→(7成約)
<解説>
【1展示会】+【5:半年後の展示会】の2つの展示会(リードチャネル(接点))が積み重なって成約へ。
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B2Bビジネスにおいて展示会は、特に重要なリードチャネルとなります。マーケティングはWebだけで行えるものではありませんので、オンラインとオフラインを交えて立体的なマーケティング施策を実施していきたいものです。