(前編)では電話営業とは?掛ける側と受ける側の視点の違いとは?テレマーケティングに必要な基本的な考え方を中心に記述してきました。
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今年はアウトバウンドで結果を出す「テレマーケティング」を見直す10のポイント(前編)1、相手は「自分の時間」を割いて電話を受けている
2、誠意=データドリブン?
3、テレマーケティング/テレアポ/迷惑電話の違いとは
4、SNSの普及で「心証」の悪さは即時拡散
5、「契約」の出口からテレマーケティングを考える【1】
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(後編)では、テレマーケティングの良くある問題点から、問題点を解決する考え方と具体的な手法を記述していきます。
6、「契約」の出口からテレマーケティングを考える【2】
データをうまく活用できていない。そもそもの目的がずれてしまっている。テレマーケティングのよくある課題から、その課題解決にどのような手法と意識が必要なのか。それらを考察していきます。
<テレマーケティングの良くある課題例>
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1、A製品を販売したい。
2、A製品の見込み顧客へ「1日5件」のアポイントを目標に施策実施。
3、トークスキルが高い人はアポイントが多くとれる。トークスキルが低い人はアポイントがとれない。
4、アポイントがとれない事に問題の焦点があたる
5、契約や案件化への有効アポイントが少ない
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<課題解決への考察【1】-リスト精度が最重要->
★「1」と「2」の考え方
まずはA製品を販売するためのターゲットが明確であるかどうかが重要です。
業種や規模、部署、担当者のパターンから顧客ターゲットが見えているか?これは施策の肝であり、最重要工程です。
ターゲットリストの精度がそのまま最終的な施策の結果に直結してきますので、こういったリスト作成は新人の方や新入社員が行うのではなく、A製品のマーケティングや営業を熟知している責任者が舵をとるべき大事な工程です。
できる事なら、手を動かしてリストを作成する作業自体も、案件全体を理解している人が実施すべきなくらい大事な工程です。
ですので、うまくいかない場合に、まず見直すべきは「リスト」です。
<課題解決への考察【2】-アポイントは質で考える->
★「2」~「5」の考え方
アポイント獲得量は多いけれども、見合った契約や案件化の量が得られないという場合は、アポイントの質に目を向ける必要があります。
テレマーケティングにおいて契約や案件化の可能性がないアポイントは取らない事が正解です。ですのでアポイントの量だけをテレマーケティングの目標にしてしまうと無駄な商談数が増えてしまいます。
最終的な目的である契約や案件化までの「道のり」をプロジェクトメンバー全員で共有しておくと無駄な商談数を減らす事ができます。テレマーケティングを実際に実行されているオペレーターと顧客ターゲットについて、欲しいアポイントについて共有できる時間を取る事も大切です。
アポイントの目標値も具体的なものにすると質が上がります。例えば「アポイント5件」ではなく、顧客のターゲティングが業種と部署で設定している場合であれば「製造業の営業部の課長職以上の責任者のアポイントを5件」のような形です。
7、伝える情報は相手の知識レベルに合わせた内容を
リストとアポイントの質が改善されたら、後はいかに興味を持ってもらえるかを考えます。その際の情報は、電話をかける相手の知識レベルに合わせたものでなければなりません。
よくわかりずらい話しは「悪」と営業で言われますが、これは半分正解ですが、半分誤りだと思います。
例えば、知識レベルが高い相手に対してテレマーケティングを実施した場合、子どもから大人までわかる話しをしたとしても興味を持ってもらう事ができません。それでは物足りないのです。
知識レベルが高い相手にはそれ相応の専門性ある情報を与える事ができなければ、価値を感じてもらう事はできません。
8、トークスクリプトを見直してみる
伝える情報のコンセプトが決まったら、次はいかに短く、相手の興味を引きつけるようなトークスクリプトを作成できるかが大事になってきます。
スクリプトを原稿化しておく事で、オペレーターのスキルに依存しないテレマーケティングが可能になり、結果の標準化が図れます。
またスクリプトは最初につくったもので完成ではなく、常に原稿の改善を加えていく事が大事です。それによりアポイントの量、質ともに施策を実行しながら上げていく事ができるようになります。
9、ゲートキーパー対策とキーマン対策は別々に考える
ゲートキーパーとは電話の受付、電話の一次対応者です。ターゲティングした顧客=キーマンと話しをするには、まずゲートキーパーに話しの内容を理解してもらい、キーマンに電話を取り次いでもらう必要があります。
電話営業を断る事自体が受付の仕事のひとつですので、最初の接触の際には特に、ゲートキーパー対策が必要になります。
例えば、会社のお問い合わせフォームから一度用件を出しておいて、お問い合わせした件でキーマンに取次頂きたい旨を伝えるなど、電話以外の一工夫を加える事も一考です。
営業電話か、お問い合わせの電話か判断に迷いますので、キーマンの方に情報は伝えてもらえる可能性が高まります。これは当然、私たちが届けたい情報は、価値のある情報であるという大前提があっての話しです。ゲートキーパーに何も考えずに断ってしまってよい情報ではない事を、表現できる対策も重要です。
10、再アプローチやコールする時間帯を変化させてみる
テレマーケティングにおいてアポイントがとれない大きな理由のひとつが、再アプローチが徹底されていない事です。
当たり前の事を当たり前に実施する事が大事なのですが、例えば「今日の15時に帰ってきます」という情報を得ていながら、2時間も遅れて17時に電話をしてしまったり、電話自体をかけるのを忘れてしまったり、相手のタイミングを考えずに、自分の都合で施策を実施してしまい結果が出ないケースです。
この改善はただただ、次に電話する日と時間を決めて、それを守って電話をする。それだけです。
もう一点、キーマンの名前がわかっていない場合は、名前を確認しておく事も大事です。次回電話をする時に名前がわかっているのと、いないのでは、キーマンに繋いでもらえる確率がだいぶ変わってきます。キーマンがつかまらない場合は、時間帯を午前帯から夕方に変えてみるといったコールする時間に変化を加える事も効果があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?MA(マーケティングオートメーション)の台頭で、テレマーケティングは今最注目されています。SFAとMAをつなぐ潤滑油のような役割ができるからです。ぜひインバウンドとアウトバウンドをバランス良く配備して最も効果の出るマーケティングを実践頂ければと思います。