前回のインプット編に続き、今回はマーケティングテクノロジーの「アウトプット編」です。
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【時間効率が上がるB2B最新マーケティングテクノロジー10選(インプット編)】
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マーケティングのインプットとアウトプットとは
マーケティングはデータドリブンです。効果測定で得られたデータ(インプット)をもとに、次に最適なアプローチ(アウトプット)を選択していくデータ駆動の考え方が必須になります。
マーケティングでデータを活用する為には、膨大な数のリードデータをマネジメントするインプット技術が求められます。
そして欲しい情報だけを様々な切り口で「塊」「群」「リスト」として抽出してアプローチを実施するアウトプット技術が必要になってきます。
営業は「個」マーケティングは「群」への対応
マーケティングのアウトプットを考える時、「データ数」の視点と、営業活動とは手法が全く異なる事を理解する必要があります。
1つのデータに対して「ひとつひとつ」丁寧に対応していくのが営業で、複数のデータに「まとめて」対応していくのがマーケティングです。
6、リードデータ抽出技術(リードクオリフィケーション)
インプットされた見込み顧客や潜在顧客といったリードデータを抽出する技術です。
業種や規模、地域、対応履歴、Web上の動きに応じて。または「業種✕規模 etc」属性の掛け合わせから。欲しいリードデータを「塊」「群」「リスト」としてまとめて取り出す技術がリードクオリフィケーションです。
例えば10万件のリードデータDBを保持していたとしても、マーケティング戦略に合わせた形でデータを切り出す事ができなければ「その情報」は一切活用できず、効果や結果につなげる事はできません。
多彩な戦略に対応するリードクオリフィケーションテクノロジーが現代マーケティングの土台と言えます。
アプローチ先をより細かく切り出す事が出来るリードデータDBの構築と、リードクオリフィケーションの精度はイコールとなります。データの抽出技術とデータマネジメントはセットで考える必要があります。
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データ抽出からの施策例
【状況】
小規模の製造業向け製品を販売したい。
【リードクオリフィケーション】
「製造業」+「100人以下の規模」+「東京23区内」に該当するリードデータリストを抽出。
↓
【メールマーケティングでのアウトプット施策例】
小規模の製造業向けの製品情報、都内であれば直接訪問してご説明できる旨etc。抽出したリードデータに適した情報を「一括メール送信」で展開
【求める効果】
メールのレスポンスに対して営業がフォローを実施。営業の無駄打ちをなくして効率的に案件を創出したい。
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7、メールマーケティングテクノロジー
抽出したリードデータに対してのアウトプット手法の代表格といえます。
リードデータに対してアプローチをする為の様々なマーケティングテクノロジーが出てきていますが、最初の起点は今でも「メール」です。高度なマーケティングオートメーションも、その最初はメールからWebに誘導するところからはじまります。
技術で言うと「一斉メール送信機能」や「ステップメール」などになりますが、今はただメールを一括で送るというよりも、データベースから会社名や個人名を自動的にメール本文内に差込できたり、メールの開封確認や、クリック率、Web誘導後のサイト閲覧解析ができたり様々な機能が付随して利用できます。
メール送信機能にデータベース機能、マーケティングオートメーション機能を連動させる事でデータ活用の幅が広がっていきます。
いかに興味の惹けるメールマガジンを配信する事ができるか?これは今も昔もマーケティングにおける重要な工程なのです。
メールマーケティングとデータベースや、Webとの連動がテクノロジーによってよりスムーズになってきています。
8、テレマーケティングテクノロジー
電話営業やテレアポといった根性論のイメージが強いテレマーケティング。
ですが、データドリブンを組み合わせる事で飛躍的に効能が上がります。
架電履歴がそのまま集計と繋がっていたり、履歴属性がそのままリードクオリフィケーションの抽出条件になっていたり、昔は億単位、数千万円単位のコストをかけなければ導入できなかった電話との連動機能CTI(Computer Telephony Integration System)も、クラウドの出現で低コストで導入できるようになってきています。
徹底的に二度手間をなくす。入力しているデータがそのまま分析や施策に活用できる。戦略に沿った架電リストを即座に抽出できる。
テレマーケティングに付随する技術は「新しく何かを出来るようにする」というよりは、データ活用を容易にして、効率化を徹底的に追求している印象があります
9、マーケティングオートメーション(MA)テクノロジー
この分野は日進月歩で技術が出現しています。その中でも特筆すべきはリードスコアリングです。
リードデータに対してポイントを付与して、見込みランクの設定を自動化するリードスコアリング。
部署や役職であったり、Webアクセスであったり、展示会やセミナーの来場履歴であったり、テレマーケティングの架電履歴であったり、営業訪問履歴であったり、ポイントが付与されるデータ属性も様々です。
これらの情報や対応結果に付与するポイント数を事前に定めておく事で、自動でポイントが加算減算されていきます。すなわち、そのポイント数がリードデータの見込みランクとなります。
MAの土台となっているリードスコアリングの考え方が国内に入ってきて約4年が経過しました。リードスコアリングを運用している企業では、ポイントの加減減算のノウハウが溜まってきています。各社の事例なども公開されつつあります。
MA関連に関しては技術の進歩というよりも、テクノロジーを活用した運用ノウハウの進歩が顕著です。先人の知恵を享受して自社の運用に活かせる時期に入りました。
10、インプットとの連動テクノロジー
マーケティングでリードデータを取り扱う際には、「入れると出す」のデータが自然に流れるように、インプットとアウトプットを繰り返してデータを強固にしていくイメージが必要です。
そのイメージを具現化する為にマーケティングテクノロジーを活用する考え方が正解です。データが強くなればなるほど案件創出や結果を出す事が容易になっていきます。
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インプットとアウトプット連動の理想例
【1】インプットデータver1
【2】リードクオリフィケーション
【3】アウトプット
【4】アウトプットの結果をインプット
【5】インプットデータver2
↓
【2~5の繰り返し】
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このサイクルが回り始めると、常に活きた情報でデータドリブンが実施できるようになり、マーケティングの質を常に上げていく事ができるようになります。
マーケティングのPDCAとは、リードデータのインプットとアウトプットのPDCAと同義であると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?マーケティングテクノロジーには、大きく分けて「情報をインプット」する技術と、「情報をアウトプット」する技術の2つがあり、これらを組み合わせて施策展開に活かしていくというのが正しい活用方法になります。
自社の戦略やマーケティング方針に合ったテクノロジーを選択していく1つの観点として、データのインプットとアウトプットの切り口は一考です。
御社のマーケティングの時間効率を上げて、より効率的に、より大きな効果を出す為の材料になると幸いです。