弊社でも取り組んでいるメール配信によるプロモーション(以下、メールマーケティング)。
最近では低価格で一斉メール配信できる専用ツールやCRM(顧客管理システム)の機能としても実装されているため、ほとんどの企業で何かしらメールを営業やマーケティングに活用されているのではないでしょうか。
今回はリードナーチャリングにおいてどんなメールが有効なのかご紹介をさせていただきます。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングは”見込み顧客を育成する”といった意味です。
これまでの営業活動では獲得した見込みリストに対してローラー作戦のようにしらみつぶしに電話や飛び込み営業(プッシュ型営業)によるアプローチがほとんどでした。
というのもサービスや業界情報など有益な情報を知るには営業マンと会うこと以外に方法がありませんでした。
しかし今日ではネットの普及により、ユーザー自身が主体的に情報を取捨選択・収集することで営業マンよりもユーザー側が多様な情報を持つようになりました。
その結果に製品検討から購入に至るまで中・長期的な時間が必要になり、これまでの営業活動の効果が薄れてしまいました。
そこで台頭してきたのが”リードナーチャリング”です。
リードナーチャリングでは電話やメール、WEBサイトを駆使しながらユーザーにとって有益な情報提供や啓蒙活動を行います。
そうすることで製品の購入フェーズをスムーズに進めることが可能になります。
メールマーケティングの有効性
一括メール配信などを活用することで一度に多くのユーザーに対してアプローチが掛けられることがメールマーケティングのメリットです。
加えて配信して終わりではなく、開封率や本文内リンクのクリック率を分析することが可能ですから事前に興味・関心事項を把握したうえでコミュニケーションをとるこができます。
どのユーザーにアプローチするか判断する1つの指針になります。
しかしリンクをクリックしたからといって本当に製品やサービスに興味を持っているかは把握できません。そんな時は過去のやりとりや役職などの情報を元に仮設を立てることも大切です。
メールマーケティングの種類
リードナーチャリングにも活用できるメールマーケティングの例をいくつかご紹介させていただきます。
- メールマガジン(メルマガ)
- セグメントメール
- ステップメール
- 休眠顧客掘り起こしメール
1.メールマガジン(メルマガ)
基本的には、自社のメルマガを購読してくれているユーザーに向けて、定期的に情報を配信することを指します。
- イベント出展情報
- ブログや事例といったメディア案内
- 最新レポート案内
ユーザーに対して有益な情報を配信ができるというメリットがありますが1メルマガを全てのユーザーに配信することになり、内容自体もありふれたモノになりがちです。
またその案内に興味が無いユーザーにも届いてしまうため、逆にネガティブな印象を持たれることも少なくありません。それぞれのメリット・デメリットを判断した上での利用が必要です。
”セグメント”という考え方
セグメントとはユーザーの属性に応じた分類分けを指してます。
例えば
・業種の中でも製造業だけ
・従業員数が1,000人以上の企業だけ
といった形です。
製品やサービスのコンセプトに沿った切り口で顧客をセグメントしアプローチすることがマーケティングでは重要となります。
そのためには”後からセグメントすることを前提とした情報の管理”が基本となります。
具体的例をいくつかご紹介致します。
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例① アンケートの【見込み度合い:確度A/確度B/確度C/確度D】から【確度Aと確度B】という属性を抽出したい。
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チェックボックス項目(選択式属性項目)がベストです。
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選択式属性項目では【大分類(見込み度合い)】と【小分類(確度A~D)】の管理が行えます。
アンケートのような定型的な情報や業種などの情報管理を行う場合、後からその属性で検索することが考えられるので選択式属性項目での管理が向いています。
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例② 資本金が【3,000万円から5,000万円】の顧客を抽出したい。
↓
数字項目がベストです。
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”○○から△△まで”の顧客を抽出する場合、そのほとんどが数字に関する情報の抽出となります。
資本金以外では従業員数やイベント来場回数などが挙げられます。数字周りの情報は数字項目での管理が良いでしょう。
このように正しいデータ管理を行うことで複数の属性をかけ合わせたデータ抽出も可能です。
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例③ 【都道府県が東京都、神奈川県、埼玉県】
かつ
【資本金が2,000万円から5,000万円】の顧客を抽出
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といった形です。
【都道府県が東京都、神奈川県、埼玉県】と抽出するよりもデータ件数は少なくなりますが、複数の条件に合致する顧客を抽出することが可能です。
掛け合わせ検索を上手く活用することで製品やサービスのターゲットに合致するデータ抽出ができます。
このようにセグメントを利用することで様々な顧客の抽出が可能になります。
データ整理・管理を行う際は”この項目はこの形式だからこの項目を使おう”ではなく、発想を転換し”この項目ではこんな抽出がしたいからこの項目で管理してみよう”と考えていただくとスムーズに管理が行えるかと思います。
2.セグメントメール
上記のような何かしらの条件でデータ抽出を行い特定のユーザーにのみメール配信を行うことをセグメントメールと呼びます。
セグメントメールの利点は条件でデータ抽出を行うことでその条件に合致した内容のメールを配信できるという点です。
例えば
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”A展示会来場者”かつ”製品Bに興味を持っている”ユーザーを抽出。
↓
「A展示会来場者限定!製品B無料トライアルキャンペーンを実施します!」といった内容でメールを配信。
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サービス選定中のユーザーに製品の良さや使い勝手を知ってもらう機会を創出する、お問合せに繋げることができます。
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”A展示会来場者”かつ”業種が製造業”のユーザーを抽出。
↓
「A展示会来場者限定!製造業での活用事例集プレゼントキャンペーン」といった内容でメールを配信。
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情報収集中のユーザーに自社の課題や活用を想起させる機会を創出する、資料請求へと繋げることができます。
抽出した内容に合わせてメールを作成するだけではなく、そのメールを読んだユーザがどんなメリットを受けられるのかをプラスワンしたメール作成が重要となります。
3.ステップメール
ステップメールとは”特定のアクションを行ったユーザーに対して事前設定したメールを複数回に渡って配信するメール”を指します。
例えば
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ユーザー:HPから資料をダウンロード
↓
ユーザー:3日以内に資料へのアクセスがない
↓
弊社 :資料をご覧いただけたかの確認メールを配信(ステップメール)
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この場合は
ユーザーがダウンロードから3日経っても、資料へのアクセスがないため、資料を見てもらえるように行動を促すメールを配信します。
リードナーチャリングの育成するという考え方で見てみると折角資料ダウンロードをしていただいたのに見てもらえないということは製品を知ってもらう機会を失う=機会損失ともいえます。
ステップメールを上手く価活用することで興味関心を高めることや啓蒙を促すことが可能です。
マーケティング施策としてセミナーを行っている場合は
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弊社 :セミナー情報をメルマガで案内
↓
ユーザー:セミナーページを閲覧したが離脱
↓
弊社 :離脱したユーザーに対して開催2週間前にセミナーの再案内(ステップメール)
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このようにセミナーに興味はあるが参加するかどうか悩んでいるユーザーを対象にステップメールを活用することでセミナーへの参加を後押しすることも可能です。
ステップメールは様々なアクションに応じて活用できるので自社のマーケティング施策と上手く組み合わせることがポイントとなります。
4.休眠顧客掘り起こしメール
過去営業提案していたものの失注してしまったユーザー、一定期間営業フォローがないユーザーに対して、何かしらのアクションを促すようにメールでアプローチする手法です。
新製品のご案内や過去のニーズを刺激するような案内など、興味を引くような案内が必要になります。
場合によっては違う製品やイベント情報を案内し、アクションがあるようならステップメールやセグメントメールを組み合わせ商談を生み出すことも可能です。
まとめ
如何でしたでしょうか?
- メルマガにチャレンジしたことが無い方は、まずは全ユーザーに対する配信から始める(メルマガ)
- メルマガはやっているので分類分けしたメールに取り組む(セグメントメール)
- 問合せユーザーへの対応が不明確・・・という方はユーザーの行動を促すメール(ステップメール)
- 失注客やフォロー漏れのままのユーザーがいる・・・接触機会を生み出すメール(休眠顧客掘り起こしメール)
上記のような形でまずは現業務の1つ上の案内方法に取り組んで頂く形がよいかと思います。
また忘れてはいけないのがリードナーチャリングに取り組む最大の目標は”売上向上に繋がる仕組みづくり”です。
売上向上に繋げるためには”誰にどんなメッセージを送りたいかを意識する”ことが非常に重要です。
結果として、それがユーザーとの信頼関係構築に繋がります。
日々のメール配信はどうしてもルーティング作業になりがちですから少し立ち止まって振り返ってみるのもよいかと思います。