ここ数年、日本国内でもマーケティングオートメーションツール(MAツール)を活用する企業が増加し続けています。
・そろそろ導入しようかな…
・導入したけど運用に合わず、別のMAツールにリプレイスしようかな…
とお考えの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は日本国内でもメジャーなマーケティングオートメーションの特徴の紹介に加え、選定する際に注意したいポイントをあわせて解説いたします。
マーケティングオートメーションの定義
マーケティングオートメーションとは文字通り”マーケティング業務を自動化するシステム、ツールのこと”を指しています。
ここで指しているマーケティング業務というのは見込み顧客の獲得・集客、育成、選別を行うリードナーチャリング業務を言います。
そのためマーケティングオートメーション=リードナーチャリングに関わる業務を自動化することが可能になります。
ただここで大切になってくるのがツールを導入したからといってシステムが能動的に動き、新規顧客を獲得するわけではありません。
自動化されるのはあくまでもリードナーチャリング上、必要になる
・何かのきっかけに特定のメールを自動配信する
・見込み角度の高いリード情報を通知してくれる
といったオペレーション部分がシステムによって効率化できるようになるという点を留意しなければなりません。
どのような属性のリードを集客をし、
どのような戦略を立案し、
どう攻めるのか
などクリエイティブ業務についてはこれまで同様に”システム”ではなく”ヒト”が受け持つ仕事になります。
そのためツールだけではなく、どのような活用を目指していくのかも勘案したシステム選定が重要となります。
マーケティングオートメーション14選を解説
概要をご理解頂いたところでここからは国内でもメジャーなマーケティングオートメーションツールをそれぞれご紹介いたします。
Oracle Marketing Cloud
Oracle Marketing CloudはOracle社が提供するクラウド・アプリケーション製品群の中でMA機能を有したサービスです。
リードデータマネジメントやメールマーケティング、キャンペーン管理、スコアリングなどMAに必要な基本機能をしっかり搭載しています。かつ各機能に対し、細かな設定。調整が行えるため国内外を通したマーケティング施策の管理にも最適です。
外部システムとの連携も可能ですが特徴として他のOracle Marketing Cloudサービスとの親和性が非常に高い点が挙げられます。そのためOracle製品によるワンストップ管理が実現可能です。
Marketo
Marketoは、米国創業のマーケティング専業ベンダーMarketo社が提供するマーケティングオートメーションツールです。顧客の生涯価値を高める“エンゲージマーケティングプラットフォーム”を目的とした製品で世界で6,000社以上で導入されています。
“顧客の生涯価値を高める“というコンセプトどおり、メール配信、Web広告、Webサイト、モバイル対応など顧客毎に最適な情報・メッセージを配信する機能に優れています。それに伴い顧客のステージをしっかりと分析するスコアリング機能も充実しており、カスタマージャーニーに最適なアプローチが可能です。
Salesforceなど主要なSFA/CRMとの統合が可能です。
昨今では導入パートナーの開拓にも力を入れています。
Pardot
Pardotは、salesforce.com社が提供するマーケティングオートメーションツールです。同社提供のSFAツール「Sales Cloud」との連携によりマーケティングと営業を一気通貫した管理ができる点がポイントといえます。
例えばMQL(マーケティング部門または施策によって生まれたリード)からどれだけ売上が立ったのか、実施キャンペーンに対してどれだけの費用対効果が生まれたのか、などマーケティング・営業間の連携を強化する仕組みが充実しています。
Hubspot Marketing
HubSpot Marketingは、HubSpot社が提供するマーケティングツールです。
WEBからの誘導を主としたインバウンドマーケティング機能が充実しています。
リード管理やメールマーケティングに加えて、コンテンツマーケティングを実施するためのCMS機能などが搭載されており、“ユーザーに発見してもらう”、“みつけてもらう“ための仕組みが充実しています。
導入実績としては大手企業のみならず、中小・ベンチャー企業でも幅広く導入されています。
SHANON MARKETING PLATFORM
SHANON MARKETING PLATFORMは、株式会社シャノンが提供する国産マーケティングプラットフォームです。2011年のリリース以来、7年連続で統合型マーケ
ティング支援SaaS市場シェア1位を獲得しています。
もともとは「スマートセミナー」というイベント/セミナー管理に特化したサービスを展開していたため、MAの中でも特に “イベント管理機能”に秀でています。
特に日本では海外に比べ、イベント施策でのリード獲得が多いためBtoB企業での導入が多く見受けられます。
メールマーケティングやマルチチャネルキャンペーン管理、スコアリングといったマーケティングオートメーションが備えるべき機能にも対応しています。
B→dash
B→Dashは、株式会社フロムスクラッチが提供する国産マーケティングプラット
フォームです。
リードナーチャリング機能だけではなく、デジタルマーケティング機能を有しています。LTV分析や導線分析、LPOやABテスト、BIなど施策のPDCAを回す機能
も充実しています。他社との違いとしてはLINE通知や購買データ、POSデータの取り込み・活用が可能です。
そのため金融やスポーツ、飲食業界などでBtoC業界の事例が多く見受けられます。
Synergy!LEAD
Synergy! LEADはシナジーマーケティングの提供するマーケティングオートメーションです。
Sales force社との共同開発で生まれたサービスであり、Sales Cloudとの連携も可能です。
機能的にメール周りが大変充実しています。顧客セグメントによる情報の出し分けや問い合わせなどのフォーム作成、WEBトラッキング機能などWEBマーケティングを始めるのに最適な機能が標準装備されています。
またシステム提供だけでなく、コンサルティングによるユーザーへのシステム定着にも力をいれており勉強会やユーザー同士の交流会にも積極的に取り組んでいます。
利用者視点で考えるとこのようなアフターフォローも非常に魅力的でしょう。
MAJIN
MAJINは株式会社ジーニーの提供する国産マーケティングオートメーションツールです。
ジーニー社ではSSPやDSPなど広告配信のサービスも保有しており、MAJINでも同様に集客ステージの機能が充実している点がメリットとして挙げられます。
WEB広告と連携した成果測定だけでなく、入札自動化などマーケッターによるリードジェネレーション施策を強力にサポートしてくれます。
また昨今ではAIによる自動スコアリング機能も実装し、過去のコンバージョンユーザーとの類似点を分析する仕組みなども提供しています。
Cloud service Saaske
クラウドサービスサスケは株式会社インターパークの提供する国産マーケティングオートメーションツールです。
導入企業数は1,000社を超えており、シナリオ設定やWEBトラッキングWEBフォーム作成など標準的MA機能だけでなくインサイドセールスの管理に強いという点が特徴として挙げられます。
システムのベースが顧客管理に秀でているため、同時にテレマーケティングの管理ができるという点は他のMAツールには無い機能です。
またオプションとしてSFA管理も可能なため一気通貫したマーケティング・営業管理も実施可能です。
Hot Profile
Hot Profileは、株式会社ハンモックが提供するマーケティングオートメーションツールです。
名刺管理からマーケティングオートメーション、SFAまでワンパッケージで提供している点が特徴です。
特に営業、マーケティングで個別にシステムを導入をすると双方で運用が固まっ
てしまい、成果を挙げるための仕組み整備に手間がかかります。しかしHot Profileであればすべての機能が含まれているため手軽にスタートアップができます。
また用途に応じて機能を切り分けることができるためコストを抑えた導入も可能です。
Kairos3
Kairos3は、カイロスマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーションツールです。なんと言ってもその特徴は価格です。
通常、MAは数万円からの料金設定がほとんどですがKairos3は5,000円からスタートできます。
従量課金制となっているため企業毎の規模感に合わせて運用が初められます。
そのため比較的小規模なサイト・企業に導入されています。
SATORI
SATORIは、SATORI株式会社が提供する国産マーケティングオートメーションツールです。従来のマーケティングオートメーションとの大きな違いは個人情報が判明する前の匿名顧客にアプローチする「アンノウンマーケティング」機能が充実している点です。
プライベートDMPを保有しているため、単独でコンテンツの出し分けや外部メディアに対する広告配信ができる点はSATORIならではの機能とも言え、リードの
集客面に課題がある企業には非常に有効です。
MABOT
mabotは、ワンマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーションツールです。
展示会やセミナーといったオフラインでの接点と、サイト訪問といったオンラインでの接点を、まとめて効率的に管理できる点が特徴です。
同社ではマーケティングの戦略・立案事業なども行っているため、ノウハウの提供を受けながら確実に成果が出る運用を受けられます。
List Finder
リストファインダーは株式会社イノベーションが提供する国産マーケティングオートメーションツールです。BtoB向けのクラウド型マーケティングオートメーションで高いシェアを誇ります。
使いやすいインターフェースが特徴で、MAの基本的な機能がシンプルで簡単に実行できるように設計されています。
メール配信とWEBトラッキング機能を軸としており、アンノウンユーザーの中から固定IPを利用して訪問企業を特定する機能なども実装しています。
メールとWEBコンテンツを利用した施策に取り組みたいという方には相性の良いサービスです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これだけ数多くのツールがあると使い手もどのサービスが自社にあっているのかお悩みになられることもあるかと思います。
そんなときには自社で取り組んでいる施策や強化したい施策から利用するツールを選定するのが良いでしょう。
リードナーチャリングでは
獲得・集客→育成→案件化
のフローに沿った工程管理が必要になります。
ですので例えば手元に眠っている名刺情報やリードに対する育成を行うのであれば、育成に関する機能が充実したシステムが合うでしょう。
また育成よりもまずはリードを集める優先度が高いということであれば獲得・集客の機能が充実したシステムが良いでしょう。
このように自社の行いたい施策に応じたシステムの導入、運用を検討いただくことが結果的にシステム定着率を上げ、高い導入効果を見込むことができるでしょう。
※本記事内の情報は2018年7月末日付でWEBやパンフレットなどに記載されている情報より抜粋しております。