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マーケティング・営業活動に”行動心理学”を取り入れる

佐々木 章乃

株式会社インターパーク マーケティングプランナー

現在は、クラウドサービスサスケ事業のマーケティング業務を担当。
イベントの企画・運営からWebマーケティングまで、幅広く業務を担っています。
銀行・人材コンサルティング会社を経て、インターパークへ入社。
5年以上の営業経験を踏まえ、マーケティングや営業についての考察を執筆しています。

営業マンがスマートに商談を進めるためにはトークスキルや交渉力、課題把握力など様々な要素がありますが、その1つとして相手の心理をうまく誘導する行動心理学を取り入れているケースがあります。

また、この行動心理学は営業活動だけではなく、テレマーケティングやインサイドセールスなどの非対面時のコミュニケーションでも利用することが可能です。

今回は行動心理学と具体的にマーケティング、営業活動で利用できるテクニックをご紹介致します。

行動心理学とは


行動心理学とは”人間の行動を観察し、なぜそのような行動を取るのか”を研究する学問です。

行動心理学を取り入れるメリットは「特定の仕草をする=特定の感情を抱いている」という風に、行動から相手の気持ちを理解することができるようになることです。

相手の気持ちを理解することで求めているものを提供できるようになる。

それが結果としてマーケティングや営業業務において商談などをスマートに進めることに繋がるのです。


1,ピーク・エンドの法則


ピーク・エンドの法則とは、人が記憶している経験のほぼ全ては、時間的な長さではなく、クライマックスにあたる場面と、終わり際の2つの印象で判断しているという理論です。

商談でいえば、長い時間をかけ熱意を説明するだけでなく、短い時間であっても商談への入り方や終わり際にどのような会話をしているかが重要と言えるでしょう。

例えば、どんなサービスを提案しにきたのかだけでなく、端的にそのサービスを利用するメリットを伝えること。

終わり際には次回どんな提案をするのかを相手方に伝えることで双方の認識を一致させた状態で商談をまとめるというのも良いのではないでしょうか。



2,単純接触効果


単純接触効果は字の通り、接触をすればするほど相手の自分に対しての印象が高まるという効果です。

特に営業活動においては契約に至るまでのリードタイムが長期化しています。

だからこそ継続的コミュニケーションを行い、自社サービスの意識付けを行うことが重要となります。

また、この効果は訪問活動だけでなく、メールやチャット、電話など他チャネルでの接触でも有効となります。

そのため、営業活動だけではなく、インサイドセールスなど非対面でのコミュニケーションでも活用いただけます。


3,アンカリング効果


アンカリング効果とは、最初もしくは同時に提示された特定の特徴や数値(価格)が購買判断の基準に大きく影響することを指します。

営業シーンではキャンペーンなどで通常価格と特別価格を比較表示されている際にこの効果が働きます。

—–
①秋の特別キャンペーン価格!500,000円!
②秋の特別キャンペーンで通常価格
 800,000円が500,000円!
—–

どうでしょうか。

①、②ともに価格が500,000円と同じですが②のほうがお得に感じませんか?

これは②では800,000円という金額を基準として500,000円という金額を比較している考えが働いているために①に比べてお得という判断がくだされているのです。

特に金額が関わるような施策を行われる際にはアンカリングを効果的に活用することで相手に有利に働きかけることが可能になります。


4,ゴルディロックス効果


ゴルディロックス効果とは何か複数の選択肢を用意された時、人は「ちょうど中間」の選択をする傾向があるという効果です。

例えばサービスの利用形態として
・ミニマムプラン
・スタンダードプラン
・プロプラン

のような形で複数のプランから選択するものもご覧になられたことがあるかと思います。

これはマーケティング観点でゴルディロックス効果を利用したものです。

各プランにどのような方にどのプランが最適なのか、説明を加えておくことで顧客が自身にあったサービスを納得の行く形で選定することが可能になります。


5,両面提示と片面提示


両面提示とは、物事の良い面と悪い面を両方提示すること、片面提示とは、物事の良い面or悪い面だけを伝えることを言います。


両面提示について

両面提示では、メリットに加えてデメリットを合わせて提示することで情報の信頼度が向上し、誠実さを感じやすくなります。

これから人間関係を構築していくというシーンでの活用が有効でしょう。

両面提示を使う際にはメリット、デメリットを提示する順番がポイントです。

—–
A:このエアコンは電気代が他のエアコンに比べ高くなりますが、様々な機能がついています。
B:このエアコンには様々な機能がついていますが、他のエアコンに比べ電気代が高くなります。
—–
A、Bともに同じ内容の説明ですがAのほうが良い印象をもつと思います。このようにデメリット、メリットの順に情報を伝えることが良いでしょう。


片面提示について

片面提示では、メリットだけを提示するため両面提示に比べ、利用シーンが限られます。

というのも良い内容しか伝えないために胡散臭さを感じやすいという特徴があります。

そのため、使う相手とすでに人間関係が構築されていなければマイナスに働いてしまいますので注意が必要です。

—–
・このスポーツシューズはとても軽く走りやすいです。
・あそこのバーはとても美味しいカクテルを出してくれます。
—–


まとめ

どのような心理が働くか、わかっているか、いないかで営業・マーケティング活動への取り組みも変わります。

今回ご紹介した以外にも様々なテクニックがあるので参考にしていただければと思います。

また、これら心理学は小手先のテクニック・付け焼き刃ではなく、相手を理解するために正しく利用するよう注意しましょう。



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