第2話 楽できるうちに次の楽を考えよう
テレアポを行う会社には、この2つの立場があります。
第1話をご覧の方は、「もしもそんな環境があったらテレアポはつらくなさそう」と思っていただけましたでしょうか?テレアポ業務を無理なく底上げしていく方法は、まずは管理者ひとりの考え方ひとつだという事をお伝えしたかったんです。
テレアポが苦手という方は、与えられた中でテレアポの技術を整理して、まずテレアポ時の余裕という楽を身につけて欲しいと思います。そしていくつかの要素が重なった時に、成長のスピードが上がると私は思っています。
テレアポは電話だけの事ではなくて、人に何かを口頭で伝える技術に大きく通じていると思います。先々の営業商談で使えるのはもちろん、1対1の状況で相手を口説く技術が詰まってると思います。なので、その時の自分のためだと思って、会社のためにちょっとだけ我慢と、そしてこのコラムにお付合いください。
ひきつづき『テレアポ底上げ術』
私は営業の仕事をして最初の1年の間に行っていたテレアポでは、特に管理者の方の指導がなかったので、元気でハキハキしているという人間性と、話す内容やスピードを電話の相手先によって変えるというやり方をしていました。直感的な対応でアポへ漕ぎ着けるという事はありましたが、素人同然の個人の勘に頼ったテレアポなので、精度にバラツキがあるのはもちろん、何よりも頭を使うので疲れていました。その後、管理者の方に「型」を用意してもらったおかげで、疲れないテレアポを行え、少々の楽ができ、無理なく着実にレベルアップできました。
術その2:スクリプトを改善し、従順になろう
テレアポの現場では管理者の方が、自らの経験と商品の知識をテレアポの「スクリプト(台本)」という「型」にして、テレアポスタッフに提示してる場合がほとんどだと思います。その際なんですが、テレアポする上で、まずは考ずに淡々と2~3日の間、「最小限のストレスで行える架電数200件のテレアポ環境」を用意して上げる事が、第1話で述べた「親心」と共に最前だと私は思います。ごく当然なんですが、効率的なスクリプトを作り、うまく行かない時はすぐ修正するのみです。スタッフの方は、管理者が用意した200件のテレアポを素直に行う子供(テレアポチルドレン)になってみて下さい。テレアポ経験者だったという方は、特にはじめこそは管理者に従って下さい。
この型がなぜ最前かというと、もちろんその会社で最もテレアポをわかっている方が作ったからです。そして、架電件数が増えていく中で発生してくる「型でも想定できていない対応(イレギュラー対応)」に備えるにはどうしたら良いかという経験を、チルドレンにしてもらうためです。「200件という少ない件数」で、もしイレギュラーが多ければ、「型」を微修正して行きます。つまり、うまく行かない時はこの修正作業を行えば良いだけだと、管理者の方とチルドレンの間の共通認識にしておく事。
慣れない作業をするとチルドレンに質問がどんどん溜まります。それを溜まり過ぎないうちに聞いて、回答・修正をしてあげるという訳です。わずか200件の件数で振り返ると、チルドレンは記憶にも新しいため、修正箇所と理由をよく理解できると思います。テレアポを始めたての頃は時間を惜しまずに200件の架電終了時や、うまく行かない時は終業前の10分でも時間を取って、ミーティングする事は大切だと思います。
営業やテレアポという仕事は、つらい仕事と思われがちで、人の入れ替わりが激しい現場ですが、型がある事でイレギュラーに頭を悩ませる事や、時には電話の相手先からの「お叱り」によって傷ついてしまう事を、早い段階で防げるようになります。テレアポの型は、そういったストレスを軽減させる意味が大半だと思っています。
その次の理由として、テレアポ時の流れが想定通りに運ぶ事で、「淡々とテレアポが行える」ようになり、アポを獲れるようになる以前に、沢山のテレアポをしても平気でいられる様になるからです。
テレアポは多い時で、1人1日150件もの架電する事を考えると、もし完璧と呼べるわかりやすいスクリプトが先に用意してあれば、私のように悪い意味で考えすぎてしまうタイプの方も、始めからストレス最小限で行えます。
余談ではありますが…。上でも述べましたが、私は型が定まってない頃は電話の相手先に対して、「アポが獲れそうな方だな…」「苦手なタイプだな…」「今日はアポが獲れてないから、次は元気に行ってみよう…」など、一件一件がイレギュラーに感じ、悪い意味で頭を使うテレアポをしていました。毎回変わる電話の相手先に振り回されていたようです。
私が営業の仕事をして1年ほどた経った頃、ある管理者の方がやって来ました。
管理者の方は私にスクリプトの説明をする時に、スクリプトを自分と一緒に作ったという別の商材のテレアポをしていた先輩営業マンを呼んで、「このスクリプトは、営業●●さんの血と汗の結晶です。これでこれまでよりも楽なテレアポができます。」とおっしゃりました。管理者の方は、先輩をリスペクトしています。「スクリプトは言ってみたら、これまでの先輩が自分たち後輩のために、先にしておいてくれた数万件のテレアポの苦労。これで以前より楽できるでしょうし、マネするより他はないでしょ?」という訳です。
私にも1年ですが、何もない所から自分なりのやり方で来た、という自負がありました。ですが、管理者の方は私のやり方を否定した訳ではなかったですし、何よりも私自身がうまく行ってなかったので、私の担当商材用に書いてくれたスクリプトを「先輩が先にしてくれた苦労、という貯金が生んだ利子」だと思う様にしました。「自分はこの利子が使えなくなるまでに、新たに現れた苦労は貯金して置いて、ある程度貯まったら新しいスクリプトという利子を今度は自分が作って、それを後輩にあげれば良いんだろうな。ひとまず元金(基本となるスクリプト)には手をつけずコツコツ貯金してみようか…」という感じです。管理者の方のおかげで、自分の中でも良い仕組みができた気がしました。
テレアポスタッフの方が、貪欲にスクリプトを変えて色々試すのも大切なんですが、それは途方もない作業でもあります。またテレアポは、先輩、後輩、管理者というチームで行うものだとも私は思います。ですのでテレアポの場合、試す事よりも先にすべきは、ある程度の経験と苦労と、そして仕組みをもった人に従順になる事。意見を言いたい時は、最初の200件~1000件を架電してから言っても遅くないという事です。
私の場合、元気を取り柄にやっていたテレアポからガラリと変わり、型の内容を理解すると自然とできるようになる「ある一定の話し方」という型も、一緒にもらえた気がしました。
スクリプトをまったく作らずに、今までされていたという方は、テレアポで話す言葉を文章化してみて下さい。「こんな時にはこう言ったらお客様に響いたな…。こんなお客様もよくいるよな…」というのを思い出しながら3時間やってみて下さい。アポが獲れたテレアポ時の直感も整理でき、構成を自在に組み直せるので、イメージが広がると思います。その3時間は、後々浪費するかもしれなかった100時間に値すると思います。「なんでもっと早くやらなかったんだろう…」とさえ思うはずです。
楽あれば苦ありですが、「前段階」で苦労して良い型を作ってしまえば、しばらくは失敗の少ない楽が続き、余裕が生まれます。私の持論上、「テレアポ底上げ術」の階段を上るには、コラム第1話でお話した「親心」、今回の「型(スクリプト)」、そして後1つの要素で1ヶ月掛からないで無理のないレベルアップが図れると思っています。
ここまでこのコラムを読んで下さった方は、おそらくテレアポが思う様にいっていないか、また何やら思い当たる節のあった方ではないかと思います。コラム第1話と今回でお伝えしたような原点回帰は良いかもしれません。
今回も、前回の「テレアポ底上げ術」を引き続く形で長文になりました。拙稿ながら、読んでくださった方のテレアポの悩みが、ひとつ消える事を願います。続きは次回。
テレアポを楽にするのは型と500社のノウハウが詰まった仕組み!
「スクリプト」の成果を計る集計機能
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