第12話:受電のススメ
テレアポの成績を上げるために、コツやテクニックを調べたり、自分のテレアポの反省する事は大事だと思います。
ただ、もしそれでも何か抜け目があるとすれば、テレアポを受ける相手をよく知らないまま、テレアポをしているのかも知れません。
私はテレアポをしていた時に、会社に掛かって来た電話を受ける係でもありました。
お客様からのお電話もあれば、沢山の営業電話も掛かって来ました。その受電対応がとても勉強になりました。
営業の電話を受けると気づく事が多い
1つは、自分の発想にない、良い言葉やテクニックに触れられる事。
とはいえ、それはごくたまにだと思います。
それよりもまず、営業電話を受けた人の気持ちを知れる事でした。
「なんでこの人はこんなに早口でしゃべるんだろう?」
「なんでこの人はこちらの話を聞かないの?」
「なんでこの人は強引に長時間話して、無理なアポを獲ろうとするの?」
「なんでこの会社もあの会社も同じような事を言ってて、売りがハッキリしてないの?」
「なんでこの会社の人達は、何度もお断りしたのに間違えて電話してくるの?」
「なんでこの人は電話の受話器を『ガチャ!』っとうるさく置くの?」
などなど、数えきれない程ありました。
『悪い見本』や『客観視』から知る
悪い見本を知る事や、テレアポを客観的にみる事は、とても大事だと思います。
自分の会社に毎日何本も掛かって来る営業電話は、「なんで?」と疑問になる悪い見本を、客として体験でき、「自分だったらこうするのにな…」と客観的に思わせてくれるてっとり早い機会になります。
営業電話を受ける側は電話を切るための理由を探す
電話を受ける側の心境を想像して下さい。
仕事に集中している時に掛かって来る電話は、あまり受けたいものではありません。
とはいえ、お客さんかも知れません。
その電話の重要性を即座に判断し、早く担当者にパスをつなぐか、もしくは営業電話だとわかると、早く電話を切りたいのですぐに「お断りモード」になる方も多いと思います。
そのために通話の冒頭から電話を切る理由を探していると言っても大袈裟ではないと思います。
なのでテレアポは、電話がつながってから電話を切る寸前まで、電話を切られるささいな理由を失くす事が大事だと思います。
電話の受話器を「ガチャ!」と置いていた、などの無意識が不快にさせているかもしれません。
営業電話かどうかの小さな判断材料
営業電話かどうかを判断する方法は沢山ありますが、時間を掛けたくない受電側は、何も聞かないで済む小さな材料で判断し始めます。
例えば「言葉の言い方」です。
例
うちの会社の担当者の在席を聞かれた時の「●●さんいらっしゃいますか?」と「●●さんいますか?」という言い方の違いで、営業電話(初めて電話してきた人)かどうかを疑ったり。
うちの社長の事を「●●社長」と呼ばずに「●●さん」と当たり前のように呼ぶ電話は営業電話の“攻めの手口”かも知れない。なので「離席してるからすぐ折り返しますのでご連絡先を伺えますか?」と“守りの一手”を打って相手の出方を見ます。そして電話を切るまでの間に心の中で思います。「連絡先や用件を言わないなら営業電話かな?」「あと2回、同様のが続いたら営業電話ほぼ確定だろうな…」。
受電の機微
上はほんの一例ですが、受電対応をするとそういった営業を受ける側の「機微(きび)=表面からは知りにくい心の細やかな動き」を体感できて、それがテレアポをする際の参考になると思いました。
つまり、受ける側の「早く電話を切るお断り手口」と、掛ける側の「電話を切られないでアポへつなげる手口」を同時に俯瞰(ふかん)できて、テレアポを客観的に見る事できるようになると思います。
最後に
商売相手の心を知るのは、良い関係を築いてお金を稼ぐためです。心を知らない悪い見本は、きっとどの商売でもお金を稼げないと思います。
テレアポのような大多数にアプローチする仕事は尚更のように思います。
悪い会社だと宣伝して回ってるように見えるからです。もし自分の会社が悪い見本のまま、テレアポを数千件行っていたらゾッとします。
反対に、問題を解消したテレアポは、営業ついでに会社の良いイメージを少しずず拡散する宣伝材料にも!?
受電は、宣伝しに行く前に、身だしなみを直すために見る鏡のような物だと思えたんです。
余談
私は「R-1ぐらんぷり」というピン芸人の1番を決める大会に、芸人さんに混ざって予選を受けた事があります。
きっかけは20代半ばの時に偉い演芸作家の先生に聞いた、放送作家の倉本美津留さんがR―1ぐらんぷりを(当時)受け続けている、というお話でした。
倉本さんはダウンタウンさんとのお仕事を始めとし、長年にわたって他分野で活躍されています。作家は演者さんを客観的に見て、もの作りをしますが、倉本さんは物づくりをする上で、「主観的にお笑いを作る心の機微」を持ち続けたいから挑戦するんだろうなと思いました。
「倉本さんのような方がそんな挑戦をしているのに、自分みたいな何もない人間がスベるのを怖がって挑戦しないなんて噓でしょ。」と思って、すぐに私もエントリーをしました。
エントリーしたのは良いんですが、自分が面白いと思う事と自分ができる事のギャップを練習しながら感じたり。
出番直前の舞台袖では、緊張で血の気が引いて嘔吐しそうになり、
「逃げたい。芸人さんは毎回こんな気持ちで舞台に飛び込むのかよ…」と思ったり。
本番でネタが飛んでしまったのを落ち込んでる私に芸人さんが、「慣れだよ。何回もやるうちに、自分を客席の上の方から俯瞰で見られるようになるよ」と言ってくれたり。
何年も芸人さんと仕事をしてきたけれど、芸人さんの気持ちを初めて知れた気がしました。
後日も私は、名前を替えてR-1予選を何度か受けたんですが、何度かでは舞台の自分を俯瞰で見る事はできませんでした。
ですがその挑戦以来、「芸人さんは作家の事をこう思うのか…」と、主観だった作家の仕事を、少しだけ客観的に見られるようになりました。
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