第6話:カッコイイテレアポ
今回はテレアポや営業を、限られた少人数で行う会社向けのお話です。
少人数の会社は、売上目標という「数字」が、営業マン1人の肩に大きく伸し掛かると思います。少人数でどうやったら良いかを、管理者・上司の方が考えて、指揮してくれているかと思うんですが、もし成果が思う様に上がらないのでしたら、一度改めて、役割分担してみてはどうでしょうか?もしかしたら「数字」を営業マンの数で分散して、ノルマとしているんじゃないかと思うからです。
少数精鋭と呼ばれるには・・・
3人の営業部の場合、3人でそれぞれテレアポをして、獲れたアポにそれぞれが商談に向かう方法よりも、まずは、そのうち2人にテレアポに集中させ、獲れたアポを残った1人が商談で回る形が良いんじゃないかと思います。これは、テレアポの専門家を早く作り出すためです。
商談の数は、1人が1日に回れるのは5件~多くても7件くらいでしょうか。それに対し、テレアポは、1日に100件を越える事もあると思います。テレアポは、繰り返しの頻度が高い上に、営業の最前衛(リード=導線)なので、営業の中でも真っ先に型を磨いて臨みたい所だと思います。残りの1人は、テレアポの作業は頭から一切忘れて、商談での契約の取りこぼしを失くす事や、毎日人と会う営業マンとしてのカッコイイ立ち居振る舞いの事ばかり考えてもらうと、営業に華があって良いかも知れません。
社内のライバルとも言える営業マン同士で、そういった分担をする時に必要なのは、情報を共有するためのシステムと、3人の信頼関係だと思います。
テレアポと商談が別の人だった時に心配されるのは、アポの訪問先のお客さんに、「電話の時と話が違う」と言われる事です。共有システムがあると、伝言ミスによる不信感を与えずに済みますし、社内連絡の手間も減らせるので、分担作業がスムーズになり一石二鳥です。
今はSFAやGoogleカレンダーなどのクラウドのツールがあるので、金銭的な折合いがつくのであれば、迷わず試してみると良いと思います。
私が営業の仕事をしていた時、担当していた商材の販売は、2人体制の時期がありました。始めは2人でテレアポをして、1人が商談に行く形でした。私も商談に行く事がありましたが、自分は商談にあまり向いていないと思いました。カッコイイ立ち居振る舞いができないからです。そのうち新たに1人が加わり、3人体制になりました。私とその1人でテレアポをして、テレアポのノウハウを磨きました。そして、その人もすぐに商談に加わるようになり、華のある1人になりました。私は会社で1人、せっせことテレアポを行い、アポが獲れたら商談を回る2人へ共有しました。
ある時、どうしてもアポが獲れないので、前々からアポは獲れそうだったけれど後回しにしていた、電車で往復4時間かかる会社で1件獲りました。アポの確度は高かったんですが、契約の確度は正直言って低いとも思っていました。私は、その商談から帰ってきた人に言いました。
「遠方だった上に、確度が低かったですよね?すいません。」
「いやいや。宮崎さんがアポを獲ってくれるから、僕は商談に回れるんです。どんなアポでも契約にもって行くのが、僕の腕の見せ所です。宮崎さんはアポを獲り、僕はそのアポから契約を獲りますよ。」
「おまえのアシストだから、俺はゴールを決められるんだ!」とストライカーに言われた気分でした!(その商談では、ゴール=契約は決まっていませんが…。)
それからというもの、私はテレアポの中での、カッコイイ立ち居振る舞いを磨きました。
余談ですが、ダウンタウンの浜田さんに関するエピソードを話していた、ある芸人さんがいます。まだ芸人に成り立ての時に、ゲームでからむ事になった浜田さんに、本番前に緊張しながら挨拶をしたそうです。新人芸人さんは、さぞ萎縮していたと思うんですが、それを察知した浜田さんに「好きなだけボケて。全部ツッコムから。」と言われ、すごく嬉しかったそうです。
お笑いは、ボケて貰えないとツッコめません。ボケだけで笑える事もありますが、ツッコミがあるから、取りこぼせずに笑いを生む事もできます。
営業の一部であるテレアポも、1人で行ってる訳ではなく、営業のリードであり、商談へのアシストという大切な役目です。
「システム」という言葉を辞書でひくと、「相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体」とあります。上で述べたのように、営業部もお笑いも、システム化と、さらに信頼関係も築く事で、仕事を「スマート」にできると思うんです。
私達の営業部は、契約が獲れ、次第にですが軌道に乗りました。そして、目標を達成した時に、打上げで飲んだお酒の味は最高でした。
ただし、最高の味が続いたのもあってでしょうか。私の体はスマートではなくなりましたけれど。
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