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放送作家のテレアポブログCOLUMN

テレアポ経験者の放送作家“宮崎牛丼”がテレアポのコツと楽しみ方を伝えます。

「笑点」関連の番組ほか、お笑い・演芸の企画構成をしています。

筆者紹介を表示

テレビやテレアポの「テレ」という言葉には…「遠隔の」という意味があります。
テレビという関連性のない遠隔の仕事をして、テレアポと“ヒモづいた”私の持論を、ご紹介しております。
私は営業の仕事をしていた時期があり、その期間の業務の大半を、テレアポ専任として行いました。営業経験もテレアポ経験も全くなかった私は、
もちろん大変苦戦していたんですが、自分の努力以外のいくつかの要素が重なった事で、短い期間でテレアポのレベルアップができました。
テレアポを考え直す必要がある過渡期の方のご参考に、少しでもなる事ができればと思います。来歴を表示

来歴
1977年生
1998年 作家志望でお笑い芸能プロダクションの門をたたく
      以降、数多くのアルバイトやお仕事を経験
2003年 BS日テレ『BS笑点』の構成/他お笑いネタ番組の
      ネタ作家として活動
2007年 CS日テレ『笑点Jr.』の構成 
2010年 文化庁芸術祭大賞芸能部門最優秀賞
      受賞者「東京太・ゆめ子」の漫才の構成
2013年 BS日テレ『笑点特大号』の構成

第9話:テレアポは笑わせたら勝ち?

 営業の導線(リード)であるテレアポに絶対的に必要なものは、「誰でも簡単にできるようにするためのノウハウ=型」を作る事です。(例えば、テレアポスクリプト、顧客管理システム、条件を絞った精度の高いテレアポリストなどがそろっている状態。)


型があるとコピーが簡単で、営業経験がない人でもリードの効率を上げられるからです。


 そんな型が揃っていて、しかも真面目にやっているのにアポが思うように獲れず、行き詰まっている方は、もしかするとですが、真面目さゆえに不足しがちかも知れない「愛嬌をみせるタイミング」を精査するのが良いかも知れません。

 

 なぜそう思ったのかと言うと、私がテレアポをしていた時、システムに頼って追客をしてアポ確実だろうと思っていた「絶対にアツいお客さん」に、忘れられていて悔しい思いをした事がありました。


システムがあるので、追客の体制は整っているのに忘れられるって、自分に原因があるんじゃないのかな…。


その時に、一流の芸人さんのピン芸や漫才の見せ方を参考にしたらどうかと思いました。芸人さんは「愛嬌」の商売であり、「名前だけでも覚えて帰って下さい」と漫才の冒頭の文句のように「まず覚えてもらってなんぼ」の商売です。

 

 愛嬌は型にしづらい物だと思いますので、それを今回から、数回かけて型にして行きたいと思います。

 

テレアポの愛嬌術-1-

 

 テレアポは短い時間ですが、愛嬌を使う事でお客さんに1度ニヤっとして頂けたり、気を緩めて頂けるようになります。


たとえ「どうせ物を売りたいだけだろ?」と思われてたとしても、ひとまず「記憶に残る事」ができます。

私は愛嬌のタイミングを意識し始めた事で、お客さんに覚えてて頂けるようになったので、後の追客の際にアポを獲りやすかったのを覚えています。

 

テレアポは物を売る電話じゃない

 テレアポなど、営業全般でよく言われる大切な事は「クロージング」です。

(クロージングとは、お客さんに「買いたいな」と思わせるまでの流れであり、決め手の台詞などの「所作」だと思っています。)


ただテレアポの場合は、商談のそれとは若干違います。

商談に時間を割いてもらうために行うテレアポの場合は、「買いたいな」という高いハードルではなく、「アポを許してあげても良いかな」と思わせる事。

そう割り切るのが、先決だと思います。

これはお客さんにとっても気軽になりますし、こちらとしてもテレアポのプレッシャーを軽減できるので良いと思います。

 

テレアポのクロージングの型

「アポを許してあげてもいいな」と、最終的に新規顧客に思わせれば勝ちです。そのための諸条件はありますが、大きく分けるとこの2つの型のバランスだと私は思います。

 

・商品力に感心させる型

・人間性に感心させる型

 

もちろん、商品力を伝える精度が上がればアポ率は自然と上がるのが大前提です。

それができた時、最後に人と差がつくのは「この人だったら…」と思わせる人間性だと思うんです。

「この人だったら…」の中には、仕事としてごく当然の「誠意」があり、あとは少しの要素として今回のテーマの「愛嬌」があると思います。

 

フリとオチを意識する

 お笑いには「フリとオチ」というのがあります。「オチ」の一言で一気に笑わせるために、「フリ」として笑いのない事も言うんですが、無駄があっては笑いは散漫になります。


テレアポの場合も同様にフリとオチがあると思います。

テレアポのフリは、上で述べた「商品力に感心させる型」です。フリのポイントは、この人だったら「良い情報くれそう」と思わせる事。

なのでテレアポする際は、さもできる営業マンの様に、淡々と伝える事がまず大切だと思います。そして、オチ(愛嬌)へと結ぶのですが…。

 

テレアポの参考になるお笑い

 お笑いの世界に、ケーシー高峰師匠という大御所の芸人さんがいます。

そのケーシー師匠の医療漫談というネタは、テレアポをする上での参考になりました。

医療漫談とは、医療や社会問題を切り口に、ホワイトボードを使って授業の様に話しを進めるんですが、口調は東北なまりの方言です。方言で真面目な事を熱弁しながら、皆が聞き入った頃、最後にストンとオチ(特に下ネタのオチ)を付けます。

これは、真面目な話とバカバカしい下ネタのギャップで、大爆笑を生む1つのパターンです。

私が言うのもおこがましいですが、師匠はフリの芸がしっかりされていて、ギャップのあるオチ。さらに、東北弁のキャラクターがあるので記憶に残ります。

 

 商談などでも同様で、お客さんと大事な話の後に、ふと出身地や趣味の話などを話すと盛り上がる事がありますよね。

真面目な話の後なので、急に親近感が湧いて好意的に思ってくれます。

多くの営業マンの方は、これを意識的にされていると思います。

 

今回の結論としまして

 テレアポは繰り返しの単純作業のようで、そこで最後に差がつくのは「覚えられてなんぼの人間性」。

とはいえテレアポでは、お笑いのように笑わせる必要は全くなく、今すでにあるテレアポスクリプトのどの辺りをフリにして(商品力をきちんと伝え)、どの辺りをオチとして(この人だったら良いなと)ちょっとだけ愛嬌を出すかを意識すると良いと思います。

本当に些細なやりとりでお客さんは、自分が思ってるタイミングでニヤリとするんだな、というのが分かって来ると思います。

 今回は、「型」として説明しづらい愛嬌をテーマに、感覚的なお話が多かったですがご了承下さいませ。

 

 テレアポ愛嬌術は、次回以降も続きます。

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